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・序盤は中学2年の女子、ナツ、ちーちゃん、旭の日常をほのぼのと描いている。

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ポップでキャッチーな絵柄で、思春期の難しさを、世の中の不公平感を「足りない」という漠然とした感情で主人公のちーちゃん初め、登場人物達の繊細な情緒を表現している。

ちーちゃんとナツ、2人は同じ団地に住んでいて、家庭環境、裕福ではない経済状況も学校の成績も似ている。

中2にしては明らかに幼い言動で天真爛漫なちーちゃんはどこか「足りない」部分を周りが感じつつも溶け込んで過ごしている。自分の「足りない」部分を自覚しつつも解消出来ないナツは人コミュニケーションも苦手だ。

 

・<事件により一変>

ちーちゃんが3000円を盗むという事件をきっかけにちーちゃんとナツ、その周囲の関係や環境は一変する。
周りと自分を冷静に観る事で自分を責めるナツの自意識の持ち方は日常的にもあり触れていてどこか共感してしまう。

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・結末

事件が解決しそれぞれが成長する中、ナツだけは心の闇を増大させていく。
ナツはチエが成長したことも知らない。2人のラストシーンの笑顔はハッピーエンドとはいえない暗雲の予感がある。ナツの今後の行動、2人の別れの予感を想像すると胸が苦しくなってしまう。

あまりにも圧倒的で数時間何もする気になれなくなるが、また読み込みたくなる作品である。